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ヘキスト
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1999年5月31日から7月22日の約2ヶ月間、ドイツ・ヘキスト磁器工房で、絵付け職人を体験させて頂きました。絵付けの技術はもちろんのこと、日本とは違う環境の中、伝統工芸を継承するドイツの職人たちの生活を垣間見ることができたのは、貴重な体験となりました。

1999年の時点では、ヘキスト磁器工房はヘキストの街の中心にある、17世紀の建物・ダルベルグ館 (Dalberger Haus) 内にありました。ここは主に絵付けの工房で、白磁の製造は別のところにある工場で行われていました。

外観は歴史を感じる趣のある建物ですが、中は近代的になっていて、日本のオフィスビルと変わらない作りになっています。

建物の地下はギャラリーになっており、一般客にヘキストの代表作を公開していました。そして1階には直営店があり、ヘキストの商品を販売していました。2階が主に絵付けの工房になっていて、小部屋にぺインターが2~3人で仕事をするという恵まれた環境にありました。

また仕事の過程を公開する見学ツアーも、完全予約制で行っていました。
(※ 私は1997年にこの見学ツアーに参加しています。)

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2ヶ月の研修期間で、お世話になった方が3人いました。まずは、初日からドイツ語があまり分からない私のために、積極的に英語でお世話をしてくれたソニア。彼女は、当時入社して日が浅く見習いぺインターでしたが、ヘキストに来る前はマイセンにいたとのこと。でも、マイセンフラワーを描いていたわけではなかったそうで、ヘキストに来てから花のモチーフを勉強していました。言葉で困ったときは、ソニアに随分助けてもらいました。

2人目は、直接絵付けの指導をして下さったバーバラ。彼女はぺインターではなくて、図案をデザインするデザイナーでした。英語は得意ではなかったのですが、簡単な単語で何とかコミニュケーションはとれました。

3人目は、同じ部屋でお世話になったペトラ。私は彼女の部屋で、専用の机を用意してもらって一緒に仕事をしました。彼女も、もともとはマイセンのぺインターで、ヘキストでもベテランとして、責任ある仕事を任されていました。彼女は殆ど、英語が話せなかったのですが、私のわずかなドイツ語の単語を理解してくれて、とても良くして下さり、感謝しています。

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絵付けの研修の流れとしては、1週間単位で1つのパターンを教えてもらうというものでした。週の前半はお手本を見てひたすら練習。描いては消し…の繰り返しでした。慣れた頃、ババ-ラに見てもらい、合格すると週の後半は実際に商品としての絵付けをさせてもらいました。そして、それも合格すると裏印の下に自分のイニシャルを入れることを許可されるという流れでした。

一番初めに教わったのは、左上写真のもの(お手本)。ほぼフリーハンドで描いていきました。このパターンはペトラが教えてくれました。その後は、「忘れな草」「虫」「小花」「パープルの小花」を描き、最後はブーケを描かせてもらいました。

果たして、私が描いたものが商品として売られたかは疑問に思うところです。

私がヘキストに滞在した2ヶ月の間に、ヘキスト磁器工房にも大きな変化ありました。長い間会社の象徴のようだったダルベルグ館から、殆どの職人が工場の方へ移ることになったのです。私がヘキストを去る時期とほぼ同じ頃、ペインタ-たちは作業机と共に、工場へ引っ越して行きました。後には、見学ツアー客のために、数人のぺインターが残るだけとなり、こじんまりとした心地良い環境がなくなったことを、バーバラも非常に残念に思っていました。工房としてのダルベルグ館の最後の時に、そこで過ごせたことは非常に幸運だったと、今でも思っています。

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↑写真下:
ほとんどこのタイプの花瓶に絵付けしました。

(記:2005年)/ Photos : © Rie 1999

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